結婚する・しないなどは問題ではない、愛する人に捧げるために私はあるのだ、などともっともらしい理由をくっつけて自分を投げ出して満足している人もいるでしょう。
とにかく、それぞれの考えでちがったコースを辿った人達の、その後はどうでしょう?許してしまった人達は、あきられ、捨てられる可能性が強く、結婚話はうやむや、また許し合った仲で熱がさめて別れるときは、醜い争いがあり、別れたあとは顔を見るのもいやだ、ということになりがちです。
許さなかった場合、自分の肉体を守っただけでなく、女の誇りも守ったことになるのです。
また、彼の方では、許してくれなかった女性を『しっかりしていて、品行のいい人だ』と思い、少なくもばかにしませんし、いつどこで顔を合わせても、どちらも平気で、女の方はことに堂々としていられます。
男の本当の心理とは?
加藤大升ブライダルによると、人の気持には晴れや曇りがあり、情熱もいつも同じではありません。
情熱は刺激があるとかき立てられますが、放っておくと、自然に減ってしまいます。
おたがいに狂おしいまでに恋愛をつのらせるときもあれば、冷静に相手の幸福を考えていることもあります。
ですから、しりぞけて、それで二人の交際が破れるというおそれは、あまりないはずです。
「そうだった。あの時は興奮していたのだ」と本人が反省していることは、いくらもあるのです。
「あの時きっぱり断わってくださって、本当によかったと思います。
でなければ、僕は恋の虜になってしまって、勉強も仕事も手につかなくなっていたかもしれません。
親不孝な息子にもならず、ぶじに今までこられたのも、キミがしっかりしていたせいです」と感激されることも、あり得ないことではありません。
激しい彼の情愛の表現、情欲をおさえる彼の苦しい忍耐、そのさまを見ることがたび重なると、いつかは許さなければならないと感じるでしょう。
また自分の方からも『どうとでもなれ』と投げ出してしまいたい衝動にかられることもあります。
そういう段階をへて許すつもりになってしまったら、それはすべてあなたの責任です。
許したためにそのあとで何が起こっても、誰をうらむこともできないと覚悟しなければなりません。
また、許してしまうと、デイトの形も変わって公園や神社の境内を歩くのではなく、人眼をさけた、いかがわしいホテルなどへ出入りすることにもなるでしょう。
それは娘の名誉・衛生・健康・将来の夢、すべてをかけた行為であって、『二人だけの秘められた幸わせ』と片づけられるものではないのです。その行為が二人をより幸わせにし、より固く結びつけるもので、一日も早く公然と大手をふって歩ける夫婦というものになるために努力する推進力でなければなりません。
そうでなくそれがただ情欲を満足させているに過ぎないと判明したら、さっさとやめてしまうべきことなのです。