2013年7月アーカイブ

昔から「大きくなったら何になりたいの?」と聞かれると、男の子はパイロット、女の子はお嫁さんと答えてきたわけです。

これはどういうことかと言うと、男性と女性の人生に対するとらえ方の違いなのだと思います。

ようするに、男性は昔も今も人生を俯瞰(ふかん)で見てきました。

男性はまずパイロットになっている自分がいて、上空からカメラが映し出すと、こういう家がありこういう庭がありこういう車があってこういう子供がいる......そして、最後にカメラが奥に寄ってアップになるとひとりの女性がいる。

ところが、女性は昔も今も人生を傭鰍で見ていないと思うのです。

女性はカメラがまず最初に夫である男性を映し出して、カメラが上空に引いていったところにこういう家やこういう庭があり、お嫁さんとしての自分がいる......となります。

そこが、男性と女性の違いです。

自分の将来を思い描くとき、男性は結婚相手が最後になるのに比べて、女性は結婚相手が最初にいる。

それが、女性はどこかで結婚を人生の最終目標にしているのではないかと思うわけです。

だから、これからの若い女性は、自分はどういう人生を送りたいのかということを考えてほしいのです。

今は、女性の社会進出もすすんでいます。

独身のまま仕事を続ける人もいれぽ、結婚しても仕事を続ける人もいるように、人生の選択肢は広がっています。

結婚は人生を歩いていくうえで、ゴールではなく通過点にすぎないのです。

社会の仕組みとして、日本には戸籍というものがあるし、相手の親兄弟との付き合い、夫婦単位での友人との付き合い、といったさまざまなしがらみがあります。

それが、結婚してしまうと、そのしがらみの根が生えてきて、根がしっかりとはって抜くことが困難になってくるのです。

夫婦としての環境ができてしまって、かんたんにはできあがった環境を崩せなくなる。

離婚を決意した男性が、まっさきに思い浮かべるのは奥さんの親の顔だと言います。

どうやって「すいませんでした」と謝ろうかと、それを考えただけで憂欝になってしまうと聞きます。

ようするに、結婚するときは挨拶に行って、「娘さんを必ず幸せにします」と言って嫁にもらったのに、結局は幸せにはできなかったわけですから。

そんなふうに、親とのつながりということ、ひとつとってもしがらみは重いものがあります。

そして、しがらみは時間がたてぽたつほど強くなっていく。

いやだな、と思ったらすぐにも別れたほうがいい、というのはそこです。

結婚して月日が過ぎると、もうやめた、というわけにはなかなかいかなくなります。

そうして、自分を押し殺して結婚生活を続けていくことになってしまいます。

相手とうまくやっていけそうもないと思ったら、別れるにためらいはいらない。

今、傷ついても長い人生を考えれぽ、なんてことはありません。

傷ついたときの痛みはかなり激しいかもしれないけれど、傷はいつかは癒えるのです。


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