社会の仕組みとして、日本には戸籍というものがあるし、相手の親兄弟との付き合い、夫婦単位での友人との付き合い、といったさまざまなしがらみがあります。
それが、結婚してしまうと、そのしがらみの根が生えてきて、根がしっかりとはって抜くことが困難になってくるのです。
夫婦としての環境ができてしまって、かんたんにはできあがった環境を崩せなくなる。
離婚を決意した男性が、まっさきに思い浮かべるのは奥さんの親の顔だと言います。
どうやって「すいませんでした」と謝ろうかと、それを考えただけで憂欝になってしまうと聞きます。
ようするに、結婚するときは挨拶に行って、「娘さんを必ず幸せにします」と言って嫁にもらったのに、結局は幸せにはできなかったわけですから。
そんなふうに、親とのつながりということ、ひとつとってもしがらみは重いものがあります。
そして、しがらみは時間がたてぽたつほど強くなっていく。
いやだな、と思ったらすぐにも別れたほうがいい、というのはそこです。
結婚して月日が過ぎると、もうやめた、というわけにはなかなかいかなくなります。
そうして、自分を押し殺して結婚生活を続けていくことになってしまいます。
相手とうまくやっていけそうもないと思ったら、別れるにためらいはいらない。
今、傷ついても長い人生を考えれぽ、なんてことはありません。
傷ついたときの痛みはかなり激しいかもしれないけれど、傷はいつかは癒えるのです。