ある男性の結婚・再婚カウンセラーが告白したことがあります。
この男性カウンセラーは、結婚や再婚のことだけでなく、人生のさまざまな問題を抱えた人たちの相談に応じていて、その分野では評判の高い優秀な人です。
多くの人が、仕事と家庭、健康、余暇の時間の使い方などのバランスの取り方について相談に来ます。
ところがあるとき、男性カウンセラーは言いようのないむなしさを覚えたというのです。
彼がいうには、相談に来る人に対するいいアドバイスというのは、彼らが自分の力では発見できないようなことを教えてあげるということではなく、時間がたてば本人もわかるかもしれないことでも、四十年かかるところを二年に短縮してあげることなのだそうです。
そして、意識の焦点を何に合わせたらよいのか、また、将来はどうなる可能性があるか、の二つの点について考える手助けをするのだそうです。
このように、結婚カウンセラーは毎日多くの人たちの人生相談に応じ、「自分は人々の役に立っている」という仕事上の喜びは大きいのですが、ふと自分自身の人生を振り返ったときに、何も満たされていないことに気がついたのです。
男性は自分について考えを巡らせたところ、仕事とプライベートな生活のバランスが取れていないことに気づきました。
他人が満たされた人生を送る手助けばかりしていて、自分のことがなおざりになっていたのです。
その後も男性カウンセラーは人のためにいい仕事をしていますが、今では毎日一回立ち止まって、自分の幸せについても考えるようになったということです。