どんな男性でも、結婚するパートナーの過去を知りたいと思う気持ちがあるのが普通です。
特に、結婚相手がかつて真剣に交際していた相手とか、一緒に暮らしたり結婚していた人については、そのいきさつのすべてを知りたいと思うのが人情です。
けれども、相手の過去に過剰な関心をもつのは、結婚前の2人にとって有害でしかありません。
あなたは過去の人と競争する必要はないのです。
過去の人は、現在のあなたと彼女には関係ないのですから。
あなたが何を言おうが、何をしようが、相手の過去を変えることはできません。
2人の将来を確固としたものにするには、過去の出来事にいつまでもこだわっていないことです。
時が来るまでに半世紀もかかることがあります。
第二次大戦が始まる少し前に、2人の高校生が恋をしました。
彼は一学年上で16歳、彼女は15歳でした。
彼が十八歳になって徴兵されたころ戦争が激しくなり、彼はヨーロッパに送られました。
彼は旅立つ前、彼女に「自分のことはかまわないから、いい人がいたらその人とつき合うように」と言い残しました。
この先どうなるかわからない自分のために、彼女は束縛されるべきではないと考えたのです。
そして三年後、負傷して除隊となって帰国した男性は、彼女がすでに他の人と結婚していることを知りました。
その数年後、彼も別の人と結婚して、2人はそれぞれ幸せな家庭を作りました。
それから長い時が流れ、47年後に彼女の夫が、48年後に男性の妻が亡くなりました。
2人が結婚した相手は共にとてもいい人たちでした。
2人とも相手には昔のことを話してあり、当時交換したラブレターも取ってありましたが、嫉妬されることはなかったといいます。
2人は共通の友人を通じてお互いの消息を知っていました。
そしてお互いにパートナーを失って落ち込んでいるときに再会しました。
そして50年ぶりに友情が復活し、愛も復活しました。
そしてまもなく、彼らは結婚したのです。
それまで歩いてきたお互いの軌跡に対して、2人が嫉妬することなどありません。