商売とは何か、それは商品・サービスを売って儲けることです。
ところが、儲からない会社は、自分の会社がいったい何を売っているのかがハッキリしていないようです。
「そんなバカな。
うちで売っているのはこの商品だよ。
はっきりしているじゃないか」
この話をしたとき、S工業のY社長はビックリして思わず叫びました。
S工業はどんな注文にも応じることを基本方針にしています。
そのため、アイテム数は大企業並みの品揃えとなっています。
これがY社長の自慢ですが、ほんとうに何でもあるのでしょうか。
この品揃えが果たして顧客のニーズを第一に考えて行われているかというと、どうもそうではないようなのです。
というのは、この品揃えのなかで売れている商品はかぎられていますし、その売れ筋商品ですらあまり売れなくなっているのです。
いくら自社製品は日本一の品質だと自画自賛したところで、売れなければ意味がありません。
顧客に購入してもらえなければ、いくらアイテムを増やして品揃えを充実させても儲けにはつながらないのです。
顧客の購買動向、顧客のニーズはどんどん変化していきます。
その動向、ニーズを把握し、何を売るかという方針をもつことができない社長は、会社の革新を図ることはできません。