本日は、長島君、慶子さん、本当におめでとうございます。
結婚とは、人生において最もおめでたいことでありますが、お二人の場合、会社を通じて巡り合い、社内恋愛でゴールインなさったのですから、上司としてこれほど嬉しいことはございません。
心からお祝い申し上げ、お二人の新生活に幸多かれとお祈りする次第であります。
私どもの製造課に長島君が入社されましたのは五年前で、皆様よくご存じかと思いますが、いつもにこやかな、大変人当たりのよい青年です。
仕事を頼んでも必ず気持ちのよい返事をしてくれ、長島君のおかげで私も気分よく職場での時間を過ごせるといっても過言ではございません。
しかも、彼は性格に裏表がなく、誰が見ていても、あるいは見ていなくても、やるべきことはきちんとやる、そういう信念の人であります。
評価につながらないよ・フな仕事でも、黙々と一生懸命にやってくれます。
昨年の製造課の引っ越しの時でも、不満や疲れを口にせず、重い荷物を何度も運ぶなど、いちばん活躍してくれたのがこの長島君でした。
彼が同僚からも一目置かれ、人望を集めているのも、そのような真正直さが人の心を打つからだと、私は納得いたしております。
このような長島君が見そめたのが、一昨年入社なさった慶子さんです。
慶子さんは三人姉妹の一番上のお姉さんだそうですが、そのせいか大変なしっかり者で、男所帯のわが製造課をその細腕で上手に切り盛りしてくださいました。
職場が散らかり放題にならず、書類などがいつもきれいに整理されていたのは、全く慶子さんのおかげであったと、一同今も感謝しております。
現在は総務課に移られておりますが、今後もお二人で支え合って、一層ご活躍くださることを期待しております。
さて、夫婦は似たもの同士とよく申します。
長島君と慶子さんが結ばれて、どちらがどちらに似てくるのか、それは私にもわかりません。
ただ、お二人はそれぞれ素晴らしい長所をお持ちなのだから、今後はお互いにその長所を生かし合うことで、家庭という幸福作りのシステムを円滑に動かしていってほしいと望んでおります。
長島君、慶子さん、どうか末永くお幸せに。
また、ご両家のご繁栄と皆様のご健康をお祈り申し上げて、私の祝辞といたします。
なお本日は、ご丁重なるご招待を賜り、ありがとうございました。