2015年10月アーカイブ

新婦が再婚の場合(新婦の上司)

ご新郎の萩原さん、ご新婦のかおりさん、ご結婚、まことにおめでとうございます。

また、このような晴れやかなご披露宴にお招きいただき、心よりお礼申し上げます。

私は、ただいまご紹介いただきましたように、ご新婦かおりさんと同じ飲食店で働いている者です。

この度、かおりさんがまたとないご良縁を得られて、ここに萩原さんと永遠の絆を結ばれましたことは、私にとりましてもこの上ない喜びでございます。

かおりさんは、私どもの店では勤続十年のベテランのホール係でありまして、お客様の評判もよく、後輩に当たる若い従業員からも大変慕われております。

お店にとって、なくてはならない要のような存在で、私なども、いつも彼女のてきぱきとした働きに助けられております。

かおりさんは仕事もお出来になりますが、周囲の人間に対して、いつもきめ細やかな心配りを忘れない女性です。

その上、料理上手でもてなし上

手という、これまた家庭的な一面を備えておられます。

これは、一度彼女のお宅にお伺いし、素晴らしい手料理で身も心もあたたまるおもてなしを受けた私が言うのですから、間違いはございません。

女の私の目から見ましても、こんなによい方が独身を通されるのはまことに理不尽と申しますか、何かもったいないような気がしておりまして、かおりさんには、ぜひもう一度、家庭の幸福をつかんでいただきたいと切に願っておりました。

ですから、彼女がこの度、萩原さんという素晴らしい方と出会われて、ここにお幸せなご夫婦が一組新たに誕生いたしましたことが、わがことのように嬉しく、ほっと安堵もいたした次第でございます。

ご媒酌人のご紹介によれば、萩原さんはお人柄もご経歴も申し分ないお方で、明るく気立てのよいかおりさんには、ぴったりのだんな様だと思います。

本当におめでとうございます。

お二人とも、どうぞいつまでもお健やかに、楽しい家庭生活をお続けになられますようお祈り申し上げて、つたないご挨拶を結ばせていただきます。

ご紹介いただきました佐々木でございます。

清永さん、律子さん、ご結婚おめでとうございます。

りっちゃん、よかったね。

今日はとってもきれいだよ。

このご披露宴には、じつのご両親もご列席しておられますが、私は新婦の律子さんを自分の娘のように思ってきたものですから、今日は失礼していつも通りに、りっちゃんと呼ばせてください。

りっちゃんは、幼い息子さんを抱えて今日まで本当に頑張ってまいりました。

皆様ご存じのように、保険会社の営業は女性がほとんどです。

そして、彼女たちの毎月のノルマは決して楽ではありません。

その中でもりっちゃんは、いつも上位の成績で頑張ってこられました。

それでいて、優秀な営業員にありがちなおごりを、全く感じさせないのも彼女の性格のよさでしょう。

お客さまにも「りっちゃん」と呼ばれて可愛がられていました。

そんな折り、「じつはお客さまにプロポーズされました」と彼女から相談された時は驚きましたが、りっちゃんのよさをわかってくれる人がいたこ

とを、わがことのように嬉しく思いました。

また、息子さんのためにも、結婚には大賛成でした。

しかし、清永さんが初婚ということもあって、りっちゃんはずいぶん迷われていたようですが、結婚の決め手となったのは、良平君の「お母さん、幸せになって」のひと言だったと聞いております。

あの小さかった良平君が、そんなことを言うまでに成長していたのかと思うと、私は胸がいっぱいになりました。

甘えん坊の良平君が、ある時期学校に行きたがらなくて、りっちゃんが悩んでいたことを思い出します。

毎朝良平君を叱り、励ましながら自分まで泣けてしまったとため息をついていたこと、そして良平君が「お母さんに負けないように頑張る」と言ってくれたということ、りっちゃんのそんな話を、よく覚えております。

親子で励まし合ってきたことで、りっちゃんも良平君も、強く大きく成長し、その二人を、清永さんがあたたかい心で包み込んでくれました。

これからは、三人家族として新しい生活がはじまります。

今後の人生が、良平君のためにも、りっちゃんたち二人のためにも、幸せであることを心からお祈りしております。

どうぞ末永くお幸せに。