ご新郎の北条君、ご新婦の礼子さん、並びにご両家の皆様、本日はまことにおめでとうございます。
ご披露宴のお招きにあずかり、お喜びのご挨拶をひと言申し上げたく、参上いたしました。
今日は、晴れやかなお二人の笑顔を拝見いたしまして、私もこれほど嬉しいことはございません。
私は北条君と同じ職場で働いている者ですが、北条君は大変真面目で仕事熱心な社員であります。
彼は輸出管理部の北米部門を一人で担当しておりまして、決算期には目が回るような忙しさになります。
そういう時でも、山のような書類を前に楽しそうに仕事をしております。
根っからの仕事好きというのでしょうか、忙しさが苦にならないタイプのようです。
その北条君が、このところ残業を早めに切り上げたり、きちんと休みを取っているので、どうしたことかと思っておりましたら、どうやら礼子さんという素晴らしい方と巡り合われて、デートで忙しかったと、あとで知りました。
彼のような会社一筋だった男が、とにかく仕事よりも夢中になれる女性をようやく見い出し、そしてその方と晴れてご夫婦として結ばれるのですから、これほど喜ばしいことは他にないでしよう。
北条君は、「もう結婚なんて」と諦めておられた時期もあったのですが、どうやらそんな控えめなところが、かえって礼子さんのお人柄としっくりとなじんで、お互いを理解し合うよい助けとなったと聞いております。
お二人とも、結婚についても、人生についてもよくわかっておられて、その上でご結婚を決意なさったのですから、これほど確かな結びつきはないでしょう。
今後は息の合った、理想的なご夫婦となられることをお祈りいたします。
北条君、これからは、礼子さんとお二人で新しく作るご家庭を大切に、どうかあまり働き過ぎにならないように頑張ってください。
私も精一杯の協力を惜しまないつもりでおります。
最後になりましたが、お二人の新生活が幸多からんことを、そしてご両家のますますのご繁栄をお祈り申し上げまして、私の祝辞に代えさせていただきます。
ご清聴ありがとうございました。