仲人宅やホテルの一室などで、合同の結納を行なう場合は特に準備も必要ありませんが、仲人が両家を往復する結納式の場合は、両家ともそれなりの支度をしておかなければなりません。
家の中の整理整頓はもちろんのこと、玄関や床の間には慶事むきの花を生けたり、松竹梅や鶴亀などのおめでたい図柄の掛け軸や、茶道具、盆なども用意しておきます。
結納品は、白木台にのせて脇床の前に飾りつけます。
そして、本人をはじめ結納の出席者は身なりを整えて仲人を待ちます。
また、結納の受け渡しが滞りなく終わったら、仲人に祝い酒と本膳料理をもてなすのがしきたりですが、このもてなしも略式ですることが多く、お酒や赤飯、鯛、するめなどのおめでたい料理が使われます。
あるいはまた、茶菓でもてなして「酒肴料」として金一封を贈る場合もあります。
こうしたおめでたい席での飲みものは、昆布茶や桜湯が使われます。
お茶は不祝儀に使われることが多いため、一般的には慶事の供応には縁起をかついで、昆布茶や桜湯を出すわけです。
なお、仲人が乗ってきた車の運転手や、荷物を運んでくれた人などがいる場合は、やはり茶菓をふるまい、二、三千円の祝儀を出すのがしきたりです。
きれいなお札と祝儀袋を忘れずに用意しましょう。