(10)最後に仲人のしきたりどおりの口上でしめくくります。
「ご両人さまともご結納を幾久しくお受けいただき、ここにめでたくご婚約が整いました。
まことにおめでとうございます」
両家とも仲人夫妻に丁重に謝辞を述べて、結納式は滞りなく終わります。
このあと、全員で祝い膳を囲み(または略式で桜湯、菓子、寿司などで手軽にすませる場合もあります)、挙式の日取りの打ち合わせや、雑談などで親睦をはかります。
◆仲人への結納のお礼はその日のうちに
結納に関する費用は、仲人の労をねぎらう酒肴料と、お礼の気持ちを表わす謝礼とがあります。
挙式の媒酌までお願いする仲人の場合は、謝礼は挙式後にまとめてしますが、結納は仲人にとってもたいへんに気を使う大役ですから、その日のうちに労をねぎらって酒肴料を包みます。
両家で祝い膳をふるまってねぎらうのが正式ですが、最近は結納式の簡略化、時間の都合などで、「酒肴料」に代えることが多くなっています。
結納までの仲人の場合は、結納式にかかった実費、車代などを含めて、お礼のしるしに、じゅうぶんなものを包みます。
お礼は一般的には結納金の一割ぐらいが相場のようですが、前もって、両家で相談してきめておきます。
地方によっては、結納のときのお礼は女性側が、結婚のときのお礼は男性側が負担するところもあるようですが、一般的に見ると両家で折半する場合が多いようです。
お礼の包み方は、両家が別々にしてもよく、また、いっしょにして連名にするのでもいいわけですが、祝儀袋の表書きはいずれの場合でも「寿」か「御礼」にします。
なお、結納を仲人宅で行なった場合は、仲人宅で用意された祝い膳または茶菓などの実費を、すこし多めに見積もって、祝儀という形にして包み、謝礼とは別にさしあげます。